土地は家族で守り、受け継ぐもの。 土地と建物と人の「間」を大切にしたい。（from第237号）

今年の2月、福岡市早良区小田部の住宅街に完成した2棟のマンション。 1号棟と2号棟の間に設けられたスペースは、入居者の憩いの場となっています。 実はこのスペースにこそ、オーナーであるM.K様の願いが込められています。

マンションを建てる前の土地について教えてください。

以前は、木造の借家を10棟ほど建てていました。築30年以上は経っていて、かなりガタついていましてね。そんな時、ある世帯から「床下の修理をしたい」という要望が出たので、床下をめくって調べたところ、すでにシロアリが発生していたんです。修理を検討していると、その隣の世帯も床下を修理したいと申し出がありました。先のことを考えれば、これはもう、すべてに立ち退きをお願いして、取り壊すほうが得策だろうということになったのです。ウエムラ建設さんのおかげで立ち退きもスムーズに進みましたので、新たにマンションを建てることにしたわけです。

マンションの建築設計でこだわったポイントはありますか。

1号棟はラーメン構造の5階建てで、全13戸です。1階にはテナントスペースがあり、すでに女性向けのフィットネスクラブが入ることが決まっています。2号棟は壁式構造の4階建てで、全12戸。どちらもファミリー向けに、ゆとりのある空間を意識した造りになっています。このように同じ敷地に2棟建てた理由は、四角四面の重々しい建物にはしたくなかったから。棟と棟の間に緑を植えたスペースを設けていますが、この「間」が心豊かな暮らしにつながっていくと思っています。私がこだわったのはそこだけで、あとは長年おつきあいしているウエムラ建設さんにすべておまかせしました。 　現在、マンションには私の甥っ子も入居していますが、広くて快適だと聞いています。とても満足していますよ。

土地の魅力について、所感をお聞かせください。

わが家には3世帯が同居しており、現在7人の大家族。ですから土地は、個人の財産というより、家族や親族単位でとらえるものだと考えています。いつか息子や孫に手渡すことを視野に入れながら、受け継いでいくつもりです。